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PRP療法(多血小板血漿療法)

 変形性関節症やスポーツ障害に対する低侵襲な新しい治療法として、多血小板血漿療法(PRP療法)が近年注目されております。PRP療法の主なメカニズムは組織修復促進と抗炎症作用であると考えられております。血漿中に含まれる生理活性物質と血小板から放出される生理活性物質によって組織修復作用と抗炎症作用が発揮されると考えられております。変形性関節症やスポーツ障害に対してのPRP療法の有効性に関してこれまで多くの学術論文が御座います。

 PRPはその調整方法は多岐に渡りその方法によってPRPに含まれる生理活性物質のバランスも異なることが解っており、当院では数種類のPRPを用意しております。PRP療法のメリットは従来の治療法では効果の無い場合でも組織修復作用や抗炎症作用によって除痛効果や機能改善が望めること、患者様ご自身の血液を使用するためアレルギー反応などのリスクが少ないこと、手術による侵襲はないため早期の復帰が望めることなどが御座います。またデメリットとしては治療効果には個人差があること、一時的な炎症反応が起こる場合があること、現在本院では医療保険が適応されていないことなどが御座います。

 PRP療法にご興味・関心がある患者様がいらっしゃいましたらお気軽にスタッフにお申し付けください。

PRP療法に関して

「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」施行により、PRPを用いた治療は法律に従って計画・実施しております。治療に関する計画も、法律に基づいて厚生労働省に認定されたJSCSF再生医療等委員会での審査を経て、厚生労働大臣へ届出されています。なお、この治療にかかる費用は健康保険ではなく、全て自費となりますことをご了承ください。当院はPRPに関する治療計画を厚生労働省に提出し2024年12月17日に登録されました。厚生労働省のHPに掲載されております。

第二種再生医療等提供計画:PB2240006

名称:変形性関節症に対する自家多血小板血漿(PRP)、自家多血小板血漿抽出液(APS)関節内投与療法

第三種再生医療等提供計画:PC2240013

名称:自家多血小板血漿(PRP)を用いた整形外科領域(関節腔内への投与を除く)の治療

PRP(Platelet Rich Plasma)療法、多血小板血漿療法

 多血小板血漿療法は、患者様ご自身の血液中に含まれる成長因子が持つ組織修復能力を利用し、本体備わっている治癒能力を高め、治癒を目指す再生医療の一つです。血小板から放出される成長因子の効果によって、組織の修復が早まり損傷部位の痛みが改善されることが期待できます。

身体の各部位の様々疾患に応用されております。

身体の各部位の様々疾患に応用されています

PRPの種類

 PRPにはその精製方法によって種類が御座います。当院で使用可能なPRP療法は以下の通りです。

GPSIIIAPS(次世代PRP)LC-PRP
適応疾患筋・腱・靭帯
筋・腱付着部症
変形性関節症筋・腱・靭帯
変形性関節症
同日注射3週間後
注射後の疼痛軽度あり軽度あり少ない
保存不可(同時注射)不可(同時注射)6か月間保存可能

GPSⅢ

GPSⅢ

 GPSⅢは白血球を多く含むLR-PRPを作成します。白血球由来のサイトカインが豊富に含まれるため、血小板由来の成長因子による蛋白同化作用に優れ、組織の修復に有利に作用する。

APS(次世代PRP)

APS(次世代PRP)
APS(次世代PRP)

 APSは次世代PRPと言われ自己タンパク質溶液(Autologous Protein Solution)のことで。PRP作成後に専用ビーズで脱水精製処理を追加する事で高濃度の抗炎症性サイトカインを含有し、組織修復作用だけでなく高い抗炎症効果を有することが期待される。

変形性関節症の新しい治療

  • 投薬加療
  • 関節内ヒアルロン酸注射
  • 運動器リハビリテーション
  • 物理療法
  • バイオセラピー
    APS療法(次世代PRP療法)
  • 手術療法
    人工膝関節置換術等

 APSは従来の保存療法と手術治療の間に位置する新しい治療です。APS療法によって6割以上の患者に有効性が認められ、水腫の改善も約半数の患者に認められました。人工関節をはじめとした手術の前段階の治療法として検討されるべき治療法と考えられる治療法です。

変形性膝関節症に対するPRP療法の奏効率

奏効率

 PRP療法の適応はKL3(中期)までの関節症と考えられ、アライメント不良(高度内反/外反変形)では成績不良因子であり推奨されない。膝周囲筋の筋力の向上や動作の安定性の獲得を目指した運動療法(リハビリテーション)は必須となる。

LC-PRP

LC-PRP
LC-PRP

 LC-PRPはPRPから成長因子を取りだして凍結乾燥(フリーズドライ)したものです。患者様の成長因子の存在割合を変えないことで、安定して高い効果が期待できる。

PRP療法のメリット

  • 従来の治療法では効果の無い場合でも、除痛や機能改善が望める
  • 患者自身の血液を使用するため、アレルギー反応などのリスクは少ない
  • 手術による侵襲が無いため、身体への負担が少なく早期の復帰が望める
  • 日帰りで治療を完了でき、入院の必要がない
  • 治療回数に制限が無い

PRP療法のデメリット

  • 治療効果、効果の持続期間に個人差がある
  • 臨床的にPRPの詳細な作用機序の全容が解明されていない
    (現時点では抗炎症作用と組織修復促進作用と考えられている)
  • PRPの精製方法によって効果が異なる可能性がある
  • 注射後、一時的に炎症反応(疼痛、発赤、腫脹等)の症状がある場合がる
  • 自由診療であり、医療保険が適応されない

PRP療法の流れ

ステップ1

初診の患者様は診察、検査を行います。

ステップ2

主治医が病態を把握し体外衝撃波治療が効果的判断される際には治療の説明を行います。

ステップ3

治療に関する同意書を頂き治療を開始致します。

ステップ4

PRP治療は完全予約制です。

ステップ5

治療後は、1か月、3か月、6か月の時点で外来受診して頂きます。

リンク

PRP療法につきまして、是非こちらもご覧ください。

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